菜園でつくねいもを育てる

家庭菜園を楽しむ皆さん、こんにちは!今日は、栄養価が高く、美味しいやまいもの育て方についてご紹介します。

やまいもは、和食に欠かせない食材で、その粘り気と独特の風味が特徴です。

家庭菜園でも比較的簡単に育てられるので、ぜひチャレンジしてみてください。

やまいもの種類

やまいも(Dioscorea polystachya)は、ヤマノイモ属のつる性多年草で、その肥大化した塊根を食用にします。

いもの形によって、ながいも、いちょういも、つくねいもの品種群に分けられます。

粘りの強さは、一般にはながいも<いちょういも<つくねいも<じねんじょの順になります。

ながいも(長形の品種群)

長いもは、関東以北の栽培が多くて、青森県、北海道で生産量の8割を占めます。自然薯が収穫まで2~3年かかるのに対して1年いもと呼ばれます。

やまいもとして流通しているのは、ほとんどが長いもで、サラダ、酢の物、山かけにしていただきます。

その他の品種には、徳利いも(長さが短い)東大和があります。

じねんじょ(Dioscorea japonica)は別種になります。

いちょういも(扇形の品種群)

銀杏いも(三味線のバチのような形なのでバチいもとも言う)は、関東で栽培されるやまいもで、とろろや煮物に向きます。

なお、関東では大和いもとも呼ぶようですが、関西で言う大和いもは、つくねいものことです。

その他の品種には、仏掌いも(奈良県、山口県の特産野菜で、先が指のように分かれた掌形のいも)朝鮮仏掌いもがあります。

つくねいも(丸形の品種群)

つくねいもは、西日本で栽培される、粘りが強いやまいもです。とろろや和菓子材料に用いられます。

つくねいも品種群 伊勢いも

丹波いも(兵庫県産、黒皮)大和いも(奈良県産、黒皮)伊勢いも(三重県産、白皮)豊後いもがあります。

沖縄やまいもとも言うだいしょ(Dioscorea alata)は別種になります。

種いもの準備

生産量で見られるように、寒冷地(北海道、東北)ではながいもの栽培が適しています。

中間地(関東、中部、近畿)ではながいも、いちょういも、つくねいも、暖地(中国、四国、九州)ではつくねいもが適しています。

種いもの分割

種いもを、皮つきで適当な大きさに切り分けて、その切り口を陰干しして乾かしておきます。

ながいもの場合は、首の部分は50g~60gに、太い部分は80~100gに切り目を入れて手で折ります。

種いもの芽だし

できるならば、3月からフレームなどで保温して、芽が伸びだしてから畑に植えると早く発芽が揃います。

種いもの養成

むかごから、種いもを養成することもできます。1年目にむかごを植えつけて種いもを養成して、2年目に、その種いもを植えつけて栽培、収穫します。

むかごは、12~15㎝間隔で植えつけて育てます。敷草をして雑草を防いで、つるはその上に這わせておきます。

植えつけ畑の準備

耕土が深い(40~50㎝)砂壌土が適しています。深い耕土が確保できない場合は、できるだけ高畝にします。

長形のながいもでは、さらにに耕土が深いことが必須です。礫の多い土壌、酸性土壌、乾燥しやすいところでは、良いいもはできません。

酸度矯正

植え付けの1カ月以上前に、酸度矯正のための石灰資材(例えば、1㎡当たり苦土石灰150g)をまいて、できるだけ深くまで耕しておきます。

元肥と畝立て

植えつけの2週間以上前に元肥(例えば、1㎡当たりチッソ成分量20g、リン酸成分量30g、加里成分量25g)を全層施肥します。

つくねいもの場合は、畝幅120~150㎝(2条植え)の高畝にします。

いちょういもでは、畝幅70~80cm(1条植え)ながいもでは、畝幅80~90cm(1条植え)の高畝にします。

植えつけ

平均気温13~14℃となる葉桜の頃(そさい園では、4月中旬)が植えつけの適期です。

つくねいもの場合は、2条の植え溝を切り、種いもを35cm間隔に置いて、5㎝くらい土をかぶせます。

いちょういもでは、1条植えで株間20~25cm、ながいもでは、1条植えで株間20~30cmにします。

例えばつくねいもの場合、畝の幅180㎝高さ50㎝長さ400㎝(天の幅60㎝長さ280㎝)で畝立てしたとすると、2条間40㎝株間35㎝に種いもを16個植えつけられます。

支柱立て

やまいもの芽が出揃ってきたら、除草して土寄せします。

やまいもはつるを伸ばして成長するため、土寄せ後に高さ1.5m~2mの支柱を立てます。

ネットを張るのではなく、細い竹につるが巻きついて登るようにします。

やまいも 支柱に巻きついて登る

支柱を立てずに地面を這わせる、地這い栽培(つくねいも、いちょういも)では、敷き草を厚くして乾燥を防ぎます。

管理

梅雨明けるまでに敷き草をして乾燥を防ぎ、梅雨が明けて乾燥が続くようであれば潅水します。

追肥

成長期に2回ほど追肥(例えば、1㎡当たりチッソ成分量7.5g、加里成分量7.5gを2回)を行います。

初回はつるが伸び始める6月下旬、2回目は梅雨が明けて成長がピークを迎える7月下旬に行います。

畝肩に溝を切って施肥して、土をかぶせます。2回目は反対側の畝肩に追肥します。

病害虫対策

やまいもは比較的病害虫に強い植物ですが、注意すべき点もあります。

アブラムシ

発見次第、早めに手で取り除くか、専用の農薬を使用します。

うどんこ病

葉に白い粉のようなものが付く病気です。風通しを良くし、予防のために植物の間隔を広めに取ります。

収穫

つる先端まで葉が褐色に枯れ上がる頃、茎を10~30cm残してつるを刈りとります。そして刈り残した茎が枯れあがるまで、2週間は待って収穫を始めます。

翌年3月までに慎重に掘り起こし、傷つけないように掘り出しします。

保存

新聞紙に包んで風通しの良い場所に置いて一時保存します。長く置く場合は土に埋めます。

まとめ

やまいもは家庭菜園でも手軽に育てられる美味しい野菜です。育てる過程で少しの手間をかけることで、収穫の喜びもひとしおです。

山かけ丼 うなぎ アボガド

ぜひこの機会に、やまいもの栽培に挑戦して、美味しい自家製やまいもを楽しんでみてください!