
まずはこれを押さえよう!野菜栽培の基本ステップ 第1回
家庭菜園のスタートラインは、「どんな野菜を育てたいか」を決めるところから始まります。けれど、いざ始めようとすると、スーパーにはたくさんの野菜、園芸店には何種類ものタネや苗……。迷ってしまいますよね。
実はこの「最初の選択」が、家庭菜園の成功を左右する大切なポイントなのです。
「育てやすい野菜」から始めよう

初心者におすすめなのは、次の3つの条件を満たす野菜です。
- 発芽・育成が安定している(失敗しにくい)
- 生育期間が比較的短い(結果が早く見える)
- 病害虫に比較的強い(手間が少ない)
具体的には、以下のような野菜が候補になります:
野菜 | 特徴・おすすめポイント |
---|---|
ラディッシュ(ハツカダイコン) | 種まきから収穫まで約1か月。プランターでもOK。 |
ホウレンソウ・小松菜 | 春・秋まき可能。葉ものなので収穫も簡単。 |
ミニトマト | 水と日当たりがあれば育ちやすく、収穫期間も長い。 |
ピーマン・シシトウ | 丈夫で長く収穫できる。害虫も少なめ。 |
サニーレタス | 外葉から順に収穫できるので、長く楽しめる。 |
🟨 ミニ知識:“育てやすい野菜”って、どういう意味?
野菜本やサイトでよく目にする「初心者でも育てやすい!」という言葉。でも、育てやすさって具体的に何を指すのでしょう?
実はこの「育てやすさ」には、主に次のようなポイントが含まれています:
- 発芽や成長が安定している(失敗しにくい)
- 病害虫に強い(農薬や手間が少なくて済む)
- 育てる期間が短い(成果が早く見える)
- プランターでも育てられる(場所の自由度が高い)
たとえば、ラディッシュ(はつか大根)やミニチンゲンサイは、これらの条件をほぼ満たしていて人気です。育てる楽しみを感じやすいので、最初の一株にぴったりですよ。
気候と季節も考慮しよう

野菜には「春まき」「夏まき」「秋まき」「冬越し」など、育てやすい時期があります。たとえば、トマトやキュウリは春まき、ダイコンやホウレンソウは秋まきが基本です。失敗を避けるには、いまの季節に合った品種を選ぶのが鉄則です。
📌 タネ袋の裏面を必ずチェックしてみましょう。「まき時期」「収穫時期」「発芽温度」「発芽日数」など、栽培の“地図”が詰まっています。
旬の野菜は育てやすい
スーパーでは年中売られているトマトやナス。でも本来は夏野菜です。季節に合った「旬の野菜」は、その時期に自然に育つようにできているので、虫もつきにくく、味もよくなります。
春なら春野菜、秋なら秋野菜。自然のリズムに沿った野菜選びが、いちばんの成功法なのです。
野菜栽培マニュアル
タキイ種苗が提供する、野菜の種まきや育苗、施肥などの基本情報が網羅されています。
🔗 家庭菜園 野菜栽培マニュアル|タキイ種苗|タキイ種苗株式会社
種から育てる? 苗から育てる?

タネから育てるのはコストが低く、成長過程をじっくり観察できる魅力があります。一方、苗からスタートすれば、発芽の手間が省けて失敗が少なく、早く収穫につながります。
迷ったときは、発芽にコツがいる野菜(ナスやピーマンなど)は苗から、成長が早く育てやすい野菜(ラディッシュや葉物)は種からが基本の考え方。慣れてきたら、種からの育苗にも挑戦してみましょう。
自分の生活スタイルに合った野菜を

野菜選びは「どこで育てるか」「どれだけ世話ができるか」にも関係してきます。
- 毎日世話できる人 → 水をよく吸う葉もの類
- 週末しか時間がない → 乾燥に強く成長の遅い根菜や果菜類
- スペースが限られている → コンパクトに育つベビーリーフやミニ品種
最初は欲張らず、1〜2種類に絞って育てるのがポイントです。
初心者におすすめの野菜
プランター栽培の魅力と、初心者でも育てやすい野菜・ハーブを紹介しています。
🔗 初心者におすすめの野菜・ハーブ16選|園芸通信|サカタのタネ
🟩 コラム:野菜の“旬”って、育てる時期?食べる時期?
スーパーのポップや料理本でよく見かける「旬の野菜」という言葉。でも、家庭菜園を始めると「この野菜の旬って、食べる時期?それとも育てる時期?」と疑問に思うことがあるかもしれません。
実は「旬」とは本来、“収穫して一番おいしい時期”を指します。たとえば夏が旬のトマトやキュウリは、収穫が7〜8月なので、種まきは春(3〜4月)になります。
つまり、「食べたい時期の2〜3か月前に育て始める」のが家庭菜園のタイミングのコツ。「旬を味わうために、季節を先読みして育てる」という感覚があると、野菜選びがグンと上手になりますよ。
今週のやってみよう!
📝 チェックリスト:育てたい野菜を決める
- 今の季節に合っているか
- 初心者でも育てやすい種類か
- 自宅の環境(日当たり・水やり頻度)に合っているか
- 食べてみたい!育ててみたい!という気持ちがあるか
ひとつでも「YES」が多ければ、それがあなたにぴったりの野菜かもしれません。
まずはこれを押さえよう!野菜栽培の基本ステップ
次回は、野菜を育てる“ステージ”となる土と場所について、ベランダや庭での始め方をやさしく解説します。
🔗 第2回:土づくりと場所選びが成功のカギ|野菜栽培の基本