農産加工は、畑で育てた恵みを次の季節へと繋ぐ手仕事。収穫から保存、加工には、土地の知恵や暮らしの物語が宿ります。野菜や果物が旅するもう一つの道のりを紹介します。

みかん缶の物語|やわらかく、つややかに
こたつとミカン、昭和の冬の風物詩。その甘くやさしい味わいは、缶詰の中で今も微笑んでいます。ミカン編では、温州みかんが、ていねいに皮をむかれ、やわらかな光をまとって缶の中に収まるまでの道のりを描きます。製造の技術、記憶を包む甘さ、そして現代の食卓での新しい活用法。みかん缶は、季節や人の思い出を閉じ込めた小さな宝箱。