草摘まひる の「そさいえん日誌」

草摘まひる です。野菜畑のそばで、季節と対話しながら、育てるよろこび、知るたのしみ、そして言葉のかけらをそっと綴っています。

「季節ごとの菜園」の記事一覧

光の階段をのぼるように──苗たちは春を信じて育つ

陽のぬくもりに背を押され、菜園は歩き出す。

日差しがやわらぎ、苗がそっと背を伸ばし始める仲春。春の真ん中に立つ菜園は、まくこと・植えることが重なり合う忙しくも豊かな季節です。この記事では、仲春にまくべき種や育苗・直まきのコツ、暮らしと畑を調和させる工夫、五感で味わう畑の変化まで──季節と共に手を動かす喜びを丁寧に綴ります。家庭菜園の次の一歩を踏み出すヒントに。
まだ冷たい風の中で、春は静かに土をゆるめはじめる。その一粒の種が、季節を動かす。

春のはじまり、畑の目覚めに耳をすまし種をまく

底を抜けたとはいえ、まだまだ寒さの名残が残る初春、畑は静かに目を覚まし始めます。この時期は、土を耕し、種をまく準備を整える「はじまりの季節」。芽吹きの気配に耳をすませながら、一粒の種に希望を託すーーそれは春を迎える勇気そのものです。「四季折々の菜園」シリーズ第1回では、初春の菜園作業と心構えを、詩情豊かに綴ります。